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Writer's pictureFriday Chikwala

NPO法人AYINAの内藤獅友さん、土屋みなみさんに聞いた「Africa by Africans」のビジョン

Updated: Aug 12, 2021


私たちがパンデミックを通じて気づかされたこと。それは、自分の地域に貢献するのに場所は関係ない、ということです。また、その手段として、テクノロジーを活用することの重要性にも気づかされました。この記事では、日本とアフリカのコミュニティに積極的に貢献している二つの団体、NPO法人AYINAと私たちPendo Initiativeを紹介します。この二つの団体は一見異なるビジョンや目標を持っているように見えますが、大切なメッセージを共有しています。AYINAとPendoは日本とアフリカの地方がポテンシャルを発揮し、発展していくためのサポートに取り組んでいます。今回、AYINAの副代表の内藤獅友さんと東北支部長の土屋みなみさんにインタビューを行い、「Africa by Africans(アフリカ人によるアフリカ発展)」をビジョンに日本の地方とアフリカを繋ぐ活動のモチベーションや、その原動力について聞きました。


まず、インタビューに入る前にNPO法人AYINAとPendo Initiativeを簡単に紹介します。


NPO法人AYINA は山形大学大学院生であったベナン共和国出身のゾマホン・スールレレさんによって創始され、「アフリカと日本をつなぐ」「Africa by Africans(アフリカ人によるアフリカ発展)」をビジョンに2013年から活動している団体です。アフリカと日本での国際交流に貢献するため、これまでアフリカホームステイとジャパンホームステイ(*)、在日アフリカン支援事業、全国各地でのアフリカイベントや出張講座などを行なっています。

*ジャパンホームステイ:アフリカ出身の方々に日本をもっと知ってもらう、好きになってもらうためのプログラム。現在は在日アフリカンの方に向けて在住エリアとは別の場所でホームステイや交流会などを企画し、新しい体験や出会いを生む。  (NPO法人AYINA公式HPより: https://ayina.org


Pendo Initiative はアフリカでキャリアガイダンスに取り組む学生団体です。進路選択に関するサポートが不足しているという問題意識から、ケニアとザンビア出身の留学生が昨年立ち上げ、アフリカ出身の学生が中心になって活動しています。アフリカの高校生がよりよい進路選択ができるよう、現在はケニアのMogotio女子高校でパイロットプロジェクトを実施しています。また、AYINAさんのような団体に協力をいただきながら、アフリカの社会問題などをテーマにし、イベントを開催しています。



ー「Africa by Africans(アフリカ人によるアフリカ発展)」というビジョンで活動するモチベーションはどこにありますか?


土屋さん   私がベナンに行って感じたのは、外国から輸入するのではなく、現地の人たちが自分たちで作って、自分たちのコミュニティで販売する可能性があるのに、それをサポートするシステムがうまく機能していないということです。ベナンのスーパーマーケットに行くと、ほとんどのものがフランスなどから輸入されています。ヨーグルトのような現地の方が日常的に食べるものも外国製でした。AYINAでは、ベナンでヨーグルトを製造し、販売している地元の人を応援しています。私たちは、アフリカの人々はほんの少しの助けで、自分たちの望む国を自分たちで作ることができると信じています。南米のボリビアに行ったとき、壊れた鉄道を見たのですが、外国製の鉄道だったため地元の人が直すことができず、放置されていました。一度壊れると現地で直すことができない、これはサステナブルじゃないと思いました。

個人的には、自分たちで自分たちの使うものを作っていくポテンシャルがあるというのは東北地方も同じ状況にあると思っています。実際、東京などの大都市(消費地)で味わえるご当地の美味しい食べ物は、地方(生産地)から仕入れられていることも多いと思います。

私はアフリカや日本のローカルな場所をもっと魅力的にしたいと思っています。Africa by Africansを通して、地方の人による地方の人達のための新たな地方を作ってほしいと思ってAfrica by Africansを実行しています。


ベナンのヨーグルトプロジェクト


内藤さん もともと私は2013年から青年海外協力隊としてルワンダに行きました。虐殺のイメージが強かったですが、すでに首都キガリは発展していたんですね。人が優しくて国が好きになりました。ただ、そこで驚いたのは都市部と農村部の格差の大きさです。都市部の会社はすべて外国人が所有していて、地元の人よりも利益を上げているので、地元にはお金持ちが少ないことに気づきました。国は発展しているのに、利益を得られるのはほとんどが経営者の外国人。悲しいことに、外国人は常に上にいて、ルワンダ人は下にいるので、間接的な植民地主義に近いように感じました。ルワンダ国内にも優秀な人たちがいるんですが、資金力や実行力が課題になっていました。成功者のロールモデルを真似し、アイデアを実現するための資金や人脈がないことが問題でした。

そんなルワンダの状況を目の当たりにし、AYINAの創設者ゾマホンと出会い、アフリカの人々が資金やコネクションにアクセスできるような活動を始めようと思いました。AYINAとしては、アフリカの若者が日本のように海外に出て、リソースや技術にアクセスできる機会を提供したり、クラウドファンディングで支援したりして、彼らが帰国後にビジネスを始める後押しをしたいと考えています。外国人はパンデミックや戦争が起きればすぐに帰国できてしまいます。本来、現地の人が経済を引っ張っていれば、経済も安定すると思っています。


ー課題を感じ、そこから実際に活動を始める原動力は何でしたか?


内藤さん   青年海外協力隊として2年間ルワンダに住んだからだと思います。協力隊では、二年間、現地の人々と一緒に生活するんです。ビジネスではなかったおかげで、現地の人と交流したり、街をぶらぶらしたりすることで、彼らの状況をより理解することができたんですね。あるとき、私が日本人であることをほとんど忘れてしまうほど、現地の人と仲良くなっているのに気づきました。私は、いつしか自分がルワンダ人であるかのように感じました。自分の国のように思わせてくれた彼らに恩返しがしたい、ルワンダの現状を変えたい、と思いました。現地の人とビジネスではないところで繋がることができたからかもしれません。


土屋さん   私の中でアフリカと東北がリンクしたということがあると思います。自分ごとに近いと思えたというか。日本にも苦しんでいる人はたくさんいるのに、なぜアフリカの人たちを応援するのか、という声もあるかもしれませんが、私は同じ地球である以上場所はあまり関係ないと思っています。たまたま私にとってはアフリカだったということだと思っています。同じような状況にある2つの場所をつなげて両者の魅力を増大させたい。それが私の行動の原動力になっています。


ジャパンホームステイの様子


おわりに


いちアフリカンとして、アフリカの発展のために尽力されているお二方の話を聞き、自分たちももっと頑張らなくては、と背中を押されました。アフリカ出身の学生である私たちは、アフリカのほとんどの高校に欠けている、質の高いキャリアサポートを提供することで、高校生が自分の中にある可能性に気づくことができるように、とPendo Initiativeを始めました。AYINAとのコラボレーションにより、私たちは自分たちがどれだけコミュニティに貢献できるか、そしてこれまで見過ごしてきた機会に気づくことができました。

Pendo Initiativeとして、私たちはアフリカのコミュニティの発展を拡大するために、他の組織とも協力しながら活動を続けていきます。ケニアでのパイロットプロジェクトの後も、私たちは地方の高校と協力し、生徒たちがキャリアパスに対する自信やコミュニティ内の可能性を見出す能力を育て、強化することを目指します。私たちも「Africa by Africans」を広げていきたいと考えています。


ーー

Pendo Initiativeは7月31日(土)にNPO法人AYINAとのコラボレーションイベントを開催します!AYINAのお二人と、ウガンダ出身のイキーウォルターさん、またPendo代表のチクワラフライデーが登壇します。

皆様のご参加をお待ちしています!


【テーマ】


在日アフリカンとアフリカ系NPOメンバーが語る「アフリカx日本の地方の可能性」


【日時】7月31日(土)17時~18時30分


【チケット情報】

  • 参加費:500円

  • いただいた参加費はPendo Initiativeの活動のために大切に使わせていただきます!

【言語】日本語


参加リンクはこちら▽


翻訳・編集:Chigaemezu, Rei, Suzu

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